テシオ氏問題に関連して 各プロバイダと被害者の方々へ (OCN、ODN、nifty、livedoor)敬称略 |
2002/02/02 初版 |
この文は2001年4月から発生し、10月に被害拡大、その後も4ヶ月以上にわたって継続している果実系スパム(ソニーテシオ氏[腐った果実]スパム)に関して2002/02/01状況の高崎見解を述べるものです。
テシオ氏スパムに関してはこちら。
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スパムと戦うことは大切です。私のページでネット業者へ処置依頼することを断固として勧めているのは、ネット業界全体のスパム対策向上を促すためであります。このテシオ氏の一件ではスパム問題における日本のプロバイダーの問題点に関して様々な現実を浮き彫りにしています。
1.livedoor様は現在の体制においては現状では何らスパム対策が出来ていない、スパムに悪用されるのを全く抑制できないこと。おそらくこのままだとひたすらスパム送信者達に蹂躙され、「それだけの」プロバイダーになり下がる可能性があること。何も対策を練らなければ「プロバイダのAchi-Kochiメール」、すなわち実質内容や創建ポリシーはどうであれ、結果的に「スパマー御用達のプロバイダ」と多くの人に見られ、見放され、フィルターにかけるのが当然とみなされる可能性が十分にあること。(Achi-Kochiメールはスパムウェアではないのに、スパムに多く利用されたために、各地でフィルタリングではじかれる措置を取られ、実質的にネット生命を断たれている)
2.OCN様はスパムに対して多少は断固とした態度が出来ると思っていたが、今回のような形でのかかわり方では全く強い態度を取れないことを判明。
3.ODN様はメールサーバをスパム送信に利用されることすらあり、これで対処できないのは問題外。
4.nifty様は日本で最初のスパム被害を受け、裁判沙汰にしたISPとしてspam撲滅史に名を残しているにもかかわらず、現在、何らスパム対策に関して他のISPに比して進んだスパム対応が出来ていないこと。
5.お名前COMのGMO様は断固としたポリシーの一方で、その内実はスパムに対して無力であること。
唯一、素早い対応で解決し、その被害の拡大を止めることすら出来たのは、外国のネット業者の協力があった時のみでした。すなわち日本の各大手プロバイダーは悪質スパマーに対してほんの少し小細工を労しただけで、極めて弱い態度しか取れず、またプロバイダー相互の協力もままならず、多くの無関係な人々へ多大な被害を与える行為を抑止できないことが明確にされました。
テシオ氏スパムが行動を開始したのは2001年4月、そして被害が急速に拡大し、テシオ氏グループの存在が指摘されたのが2001年10月、その後、上記のようなプロバイダーへの散々の働きかけにもかかわらず、全く解決の目処が立たないまま、2002年2月を迎えます。現在でも毎日のように同じグループ・テシオ氏のスパム被害が報告されています。
私は一方的にしか物事を見るのは嫌いです。断固とした主張を持つにしても、常に反対の意見・立場のことは配慮したく思います。ですから上のプロバイダーの方々が何か言い分があるのなら是非掲示版でもメールでも連絡して頂きたく思います。
しかし4ヶ月です。4ヶ月もの間、多くの苦情が寄せられ、問題の人物・グループが分かっていながらどのプロバイダーも結局対応措置が出来ないと言うのはどういうことでしょうか。結局の所、スパマー対策の為の十分なポリシーと体制が不整備だとしか言えないのではないでしょうか。
おそらく第一線で苦情を受け付けていたプロバイダーの受付担当者の方々も、件のグループを断固として処置できないことに歯がみしていると想像しています。またそうでなくては被害者の側としては許せません。そしてもしそうならば、どんなに現在の体制ではスパム送信者につけ込まれてしまうか、よく理解しているはずです。
是非この経験を今後のスパム対策整備の上で十分に生かして頂きたく思います。現在、行政府、立法府におけるスパム規制の整備が勧められていますが、この問題の法律整備には各種の困難が予想されます。またインターネットの発展において国家が必要以上に干渉することに対しては様々な意見があるはずです。
たとえ法律整備が進むにせよ、そうでないにせよ、直接スパム送信者を規制できるのはプロバイダーの方々以外にいないのは明白です。より迅速で、適切な対処を可能にするような制度整備を是非御願いいたしたく思います。
さて、被害者の方々。皆様はテシオ氏の極めて不快な多くのアダルトスパムに対し、プロバイダーに連絡しては埒があかず、非常に悔しい思いをされていることと思います。一般に「スパムには返事をするな」というアドバイスがあり、実際アダルトスパムを送ってくるようなところはデタラメばかりです。そもそもサイトすら非常に危険でおちおち見ていられないのですから、返事をすることなどどうして出来ましょうか?
さらに削除フォームに書き込むなんてもっての他です。通常のスパムにおいて削除フォームなどというのはスパムを増やすための罠であることがほとんどです。
その中でこのテシオ氏のスパム活動が開始され、すでに10ヶ月。こちらのページで書いたように、テシオ氏は意外にも苦情者をリストから外す措置に積極的である、という情報が得られています。
おそらく被害者の方々にはいろいろな思い、事情、考えがあると思います。被害を受け続けてからひたすらプロバイダーの積極的な対処を期待し、毎日のようなテシオ氏の卑猥なスパム攻勢に対処してきた方々も多いでしょう。
テシオ氏のまるでメールストーカ並のスパム攻撃のしつこさに、スパマーというものに完全に不信感を持っている方も多いでしょう。
そのような中で上のような情報が明らかにされた時、それに対して取る行動も様々だと思います。テシオ氏スパムが向こうからなくなるまで、断固として対処し続ける人。アドレスを変えようと思っていたが、もし上のような情報があるなら是非試してみたいと思う人。試しても良いが非常に屈辱的に感じる人。
どの方の気持ちも私は理解したいと思っています。私自身の心の中に上のどの思いもあるからです。ですから最後は皆さんの判断です。
一つ言いたいことがあります。スパム禁止措置がおそらくまだ先である現在、今回被害を受け、対応に苦慮、あるいは御協力して頂き、いくらかのスパムへの正しい対応スキルを身につけられた方も多いのではないかと思います。またそうでなくても、スパムの問題解決がどんなに重要であるか、「捨てれば良いのでは〜」などという軽いことを言えるような問題ではないことを痛感して頂けたことと思います。
同様な卑猥なアダルトがそれらに対して嫌悪し、相応しくない人々へ繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し散々配られる恐ろしさを十分に感じていただけたと思います。
しかしスパム送信者はテシオ氏だけではありません。スパムは今でも世界中から毎日のように届いています。同様な人も多いはずです。しかも返事などは絶対見ないようなスパマーのものも多くあります。そのような中ではテシオ氏にこだわるよりも、より多くのスパマーに同様に対処することで、今までlivedoor、OCN、ODN、niftyに対して依頼したのと同じような形で、スパム撲滅への少しずつの働きかけをいろいろな所へすることが出来るはずです。
私が運動している最終目的は悪質スパマーへのお仕置きではなく、自分とみんな(特にスパムが不快な人)に一通でもスパムが減ることです。
ですからその趣旨に沿っていれば方法は厳密に問いません。取りあえず返信をして本当に解除の約束を守ってくれる可能性が高いならそれを行い、特定の激しいスパム攻撃をよけるのはやむを得ないことだと考えます。
勿論、オプトアウト方式を認めるわけではありません。けれどもスパムというものが違法化されていない中で「スパム方式」より「オプトアウト」がまだマシなのは言うまでもないことです。
実際私のスパム対応の概要でもhttp://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/shouhai-spam0.html
の二番目にスパマーへの提案を挙げており、決してスパマーへの返信を厳禁するアドバイスをしたつもりはありません。
そもそも、ここがスパム(迷惑広告)が他の問題メール、すなわち嫌がらせとかストーカーメールとかと違う、対応の難しいところで、本人が無茶苦茶嫌っていて、サイト宣伝されていてもそんなの絶対見るわけない、という人に送っても、送る意味はないはずです。ですからスパマーにとってもそういう人へサーバの時間を割くのは無意味なわけであり、スパム嫌悪者のメルアドはリストから削除するスパマーの行為も決して不合理なものではありません。あとはテシオ氏の誠実さを信じるしかないでしょうし、もしこれをテシオ氏グループが見ているのならば、一つの誠実さぐらいは守り通して欲しいと考えます。現在、同じ場所に、同じことの、同じような、処置依頼を言い続け、それが受け入れられず、戦い疲れている方も多いと思われます。ですから、削除手続きを取ることで戦線離脱可能な方は御自由に、なんの後ろめたさもなく、離脱して頂きたいと思います。
そしてテシオ氏に関して戦ったこと、テシオ氏スパムを憎んだことに対して「電子メールの理想を追う意味では当然のことをした。しかも自分は違法なことはしてない」ということで堂々と誇りを持って頂きたい。
同時に、スパムの問題性、スパムへの憎しみに関しては是非忘れないで頂きたい。そして出来る限り、同様な形でスパムが届くごとに、ネット業者への働きかけをして欲しいと思います。スパム問題はまだ何も解決していないのですから。今後インターネット使う、自分とみんなのために、この問題に取り組むことを放棄してはいけません。
御苦労様でした。そして今後とも御協力願いいたします。
なお、テシオ氏に関する情報は今後も無論、受け付けます。