各種spamフィルタツールについては「spamフィルタツール概観」を御参照下さい。
2003年4月現在、英文spamの極めて酷い状況が報告されています。私・高崎も2003年5月の英文spam受信料は総計900通以上に達し、ここ数ヶ月の間、大きな増加を続けています(参考:当サイト管理人のスパム被害状況)。
その量は「他の真っ当なメール」から仕分け作業をする時間が増え、手間がかかり、精神的にも大きなストレスになるほどです。
当サイトでは「フィルタリング」に対しては基本的に批判的な発言をしてきました(参考)。なぜならフィルタリングの普及は「スパムの無視と削除」を助長し、スパムの根本的解決を遠ざけると考えるからです。
私のスパムに対する活動が、スパム量の莫大さに困惑した段階で始まったものだったのなら、私の関心はフィルタリングに向かわざるを得なかったかもしれません。しかしそうではありませんでした。
すなわち、spamが突然増えた30通/月という量は、メール生活上、時間的にも精神的にも多大な損傷が出るものでは(高崎にとっては)まだありませんでした。それよりも、将来的にその増加が止まらないコトへの危機意識が、スパムへの関心と反対論者としての活動のきっかけになったのです。当時はまだ余裕があったということが出来るでしょう。
私の「フィルタリングは根本的なspamの解決にはならない」という考えは、今でも基本的には変わりません。しかしながら、スパム反対活動を続けてから今まで、一日数十通に上るspam被害の大きい人々の相談を受けることがたびたびありました。その際に「抵抗のみ」を訴えることの無力さ、難しさを私が感じてきたのも事実です。
すなわち、あたかもそれはネット上のトラブルに巻き込まれて毎日嫌がらせのメールや電話がかかってくる、今まさに困っている人に向けて「常日頃からトラブルに巻き込まれないようにしましょう」とひたすら説くようなものです。既に目の前で困っている人を助けることにはならないのです。
そういう方々への情報提供の必要性も感じつつ、しかしフィルタリング否定の気持ちもあり、そのような関係の頁作成は見送っていました。
ところがスパムへの抵抗を続けている私も「本当に届くスパム量に困っているレベル」に次第に近づきつつあります。2003年3月は全spam量400通/月に達し、5月にはその倍の900通に達しています。そのような中、SAProxyという外国のツールを知ることになりました。その登場が上述のような私の英文spam被害増大と重なっており、加えて、フィルタリングと言ってもブロックと異なり、spam苦情を不可能にするフィルタリングではないというメリットがあり、試しに導入をしてみました。
その結果、取りあえず使用開始後4ヶ月ほどの現在、英文spamに対して大変大きな効果を発揮してくれることが分かりました。また、このシステムがspam処置依頼とは何ら対立するものではないというのも感じるようになりました。
ということで、このツールが「spamの無視と削除」を助長することがないのを願いつつ、紹介させて頂くことにしました(以下の解説はスパム反対運動MLの投稿に加筆したものです。関係者の方に感謝します)。
目次 |
0■SAProxy利用とspamへの抵抗(処置依頼活動)の共存 2■SAproxyに関する参考頁(リンク集) 4■SAProxyに関するspam判定時のサブジェクト付記文字列変更方法 5■ウイルスバスターとの共存について |
パソコン、もしくはこういうインターネットツールを紹介する際のお約束ですが、このツールを利用したことによる各種トラブルに関し、私は責任を一切負うことが出来ません。あくまで利用者御自身の責任でお使い下さい。 |
0■SAProxy利用とspamへの抵抗(処置依頼活動)の共存
私はもともとフィルターには否定的で、その理由としては以下のものがあります。
1・フィルターを皆が導入しただけではスパムの根本的解決は目指せない(むしろ根本的対処から遠ざかってしまう)
2・とにかく見せつけようとするspamの性質上、ほとんどフィルターでの効果を期待できない
1に関しては今でもその思いは強いです。
「スパムメールは無視が一番はマチガイです!」
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/keyi3.html
と主張する立場上(主義上)、皆様にフィルターを紹介するのは「無視」を勧めるようでとても複雑な心境があります。
その気が変わったのは、この数ヶ月で英文spamの増加があまりに酷くなり「受け取ったspamを、手動(ドラッグ&ドロップ)でspam専用フォルダに入れ直す」という単純作業の手間ですら、それが無視できないほど大きくなったからです。
そういう「本当に無駄なこと」に時間を割くぐらいならその部分の仕事はフィルタツールに任せてしまい、フィルターツールのお陰で生まれた時間を、spam苦情に割く方がなんぼかマシ、という考えになってきました。
SAproxyは、そういう点で有り難い毎に、spam苦情すら出来なくなる
「spamブロック」
ではなく、より分けを支援するだけです。これは必ずしもspamへの無視や削除を前提とするのではなく
「spamは受け取ったら出来る限り処置依頼を!」
という主張とも共存可能なわけです。
「純粋な意味で」フィルタリングをしたい人にとっては「その機能でしかない」ことを不満に思うかもしれませんが、
そここそが私がこのツールを紹介出来る理由だったりします。
しかもたしかに「現在の所は」英文spamに対して比較的高い効果(すなわちspam判定が可能と言うこと)を発揮しています。
外国のフィルタリングツールSAproxyについて私が注目するようになったのは、複数のアンチスパマーからの紹介によってでした。すなわち
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/nospam_bbs/past/log/010822.html
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/nospam_bbs/past/log/008797.html
の投稿と、後述の「人生ままならず」サイト主様からの紹介です。
SAproxyはサーバ用のスパムフィルタリングツールSpamassassinのシステムをクライアント用に移植したものです。このクライアント用ツールは、ウイルスバスターのメールウイルス検知機能などと同じように、POP3システムのメールを別のソフトすなわちSAproxyを通して受信し、その際に各種のフィルタリングによりspam判定を行い、その結果をヘッダやタイトルに書き込んだあと、通常のメールソフトに渡します。すなわち特徴として、以下のようなものがあるようです。
すなわちメールソフトにより、SAproxyのヘッダ書き込みに基づくフィルタリングをしておけば、spamの高いものを、より分けることが可能となります。
無論、メールボックスには入ってしまうし、メールソフトにも取り込んでしまうわけですので、サーバレベルでのフィルタリング(というかブロック?)とは違うわけですが仕分け作業が軽減されるだけでも非常に楽になります(hotmailやyahooのバルクフォルダ機能と雰囲気・目的は同じですね)。
SAproxyの概念図 |
SAproxy
http://saproxy.bloomba.com/
この頁からダウンロードできます。
spamassassin
http://www.spamassassin.org/
この頁は無理に行く必要はありません。SAproxyはもともとSpamassassinというサーバ用フィルタリングシステムを一般のメールソフトで利用できる形に移植したものです。
人生ままならず>Fight
spam on the Net!>翻訳>SAproxyマニュアル
ここのサイトの管理人の方がSAproxyのマニュアルの一部を翻訳して下さっています。
当掲示板の過去ログ#8797
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/nospam_bbs/past/log/008797.html
日本語を扱う場合に必要な設定変更などが紹介されています。
下関市地域情報化研究会の「SPAMメール対策2(spamassassin)」
http://www.siscom.or.jp/spamassassin.html
SAProxyを日本語spamで利用する際の設定等について書いて下さっています。
TLEC(Tokyo Linux Entertainment Community)の
「TLEC presents spamassassin を fetchmail から利用する方法」
http://tlec.linux.or.jp/docs/spamassassin.html
LINUXサーバを扱う人向け。ただし設定等の紹介あり。
導入時にはまず設定が必要です。たとえば使用しているメールソフトがOutlookEpressならばこちらのような設定になります。
すなわち、
というわけです。なお、マニュアルの日本語訳は
人生ままならず>Fight spam on the Net!>翻訳>SAproxyマニュアル
を見ていただけば宜しいでしょう。
これで基本的には使えますが、日本語に対応するように以下の設定が必要なようです。
起動するとタスクトレイに常駐します。
そこで右クリックしconfigureを選びます。
そこで以下の項目を設定して下さい。
・Settingsタブ(画面)
上から三番目「Rewrite spam subject headers云々」にチェックを入れるとspamだと判定したヘッダのタイトルに「*****SPAM*****」をつけます。その文字列は変更できます(後述参照)。
・languagesタブ(画面)
デフォルトがどうなっているか忘れましたが、全ての言語を受け入れる場合にはチェックを入れます。
・Rulesタブ(画面)
唯一変更らしい変更が必要です。
report_header<タブキー>1 use_terse_report<タブキー>1 defang_mime<タブキー>0 subject_tag<タブキー>sp* score HEADER_8BITS<タブキー>0.00 score HTML_COMMENT_8BITS<タブキー>0.00 score SUBJ_FULL_OF_8BITS<タブキー>0.00 score UPPERCASE_25_50<タブキー>0.00 score UPPERCASE_50_75<タブキー>0.00 score UPPERCASE_75_100<タブキー>0.00 |
上の文字列をメモ帳などのテキストエディタに書き込んで、その全体をコピーして、上記タブの中に張り付けて下さい。<タブキー>というところにはキーボードの「TAB」のキーを押します。見た目には空白(カーソル)のように見えますが、空白ではないので注意して下さい。ちなみに4行目はspamだと判定した場合につく「*****SPAM*****」を「sp*」に変えるものです。お好きな文字列に変えれば良いでしょう。
なお、この時、
「右クリック」−張り付け
が使えないようです。キーボードに
Ctrl(コントロールキー)
というのがありますが、一般に
「右クリック」−張り付け
と同じ操作をするために
Ctrlキーを押しながら「V」
という方法があります。その方法ですればこのSAProxyでも張り付け可能ですので、この方法を用いて下さい(参考:投稿12893)
・Maps(画面)
お使いのプロバイダーのSMTPやPOPの仕様によっては変更が必要です。まあ取りあえずそのままにして試してみてはいかがでしょう?(アバウトだなあ。笑)
・Advanced(画面)
これも同上です。
【注意点】
・メールソフトにおけるフィルタリング(メールルールの設定)に関しては後述参照。
・メールのフィルタという点では仕組み敵に同手法であるトレンドマイクロ社の「ウイルスバスター」の「メールウイルス検知機能」とは共存できないと思います。後述参照のこと。
・設定を変えた場合には一旦、終了をさせて下さい。タスクトレイのアイコン上で「右クリック−EXIT」で終了できます。うまく動作しない場合にも、とにかくSAproyを終了し、もう一度立ち上げ直すことをお勧めします。
・当然のことながら、メールソフトを使うときにはSAproxyを起動している必要があります。デフォルトではどうだったか忘れましたが、「プログラム−スタートアップ」にショートカットを置いておくと良いでしょう。
4■SAProxyに関するspam判定時のサブジェクト付記文字列変更方法
SAproxyの特徴の一つとして、メールウイルス検知ソフトなどと同様にメールソフトに依存しないことが挙げられるでしょう。すなわちPOP3のメールサーバを使う場合には、基本的にどのようなメールソフトでも活用できます。
ただしSAproxyのマニュアルの中
http://saproxy.bloomba.com/docs/clients.html
で、いくつかのメールソフトの特徴が書いてあるのですが、日本で多くの人が使用していると思われるOutlookもしくはOutlookExpressでは、フィルタリングの際にヘッダの中の差出人やタイトルでしか条件設定が出来ないようです。
SAProxyではspam判定の結果に関し、ヘッダの中に独自のヘッダ項目を追加するのですが、上記メールソフトなどのようにその独自項目ををフィルタリングで使えないメーラーの場合には、spamと判定したメールのタイトルに
「*****SPAM*****」
を追記する設定にするが可能性です。つまり、OEなどではタイトルによるフィルタリングをすることになります。なお、OEやBecky!ではフォルダにより分けるアクションではなく、タイトルの色を変化させ、spamを目立たなくさせるアクションも可能です(Becky!では両方を適用することが可能)。
つまり「*****SPAM*****」がタイトルにつくものを独自のフォルダによりわけちゃっても良いですし、タイトルの表示を薄い色にして目立たせなくすることも可能でしょう。
「*****SPAM*****」とつくのはあまりに派手ですが、そのことに関してはタイトルに付記する上記の文字列を変えることが出来ます。
現在のManualには詳述してありませんがSAproxyではサーバ用ツールとしてのspamassassinの時の設定ルールがほとんど使えるそうです。
spamassassinではspam判定時のsabuject追記文字列の標準「*****SPAM*****」を変更することが可能ですので、SAProxyでも同様な設定をすると、既に変更可能でした。
当方でも確認しました。
すなわちタイトルに「*****SPAM*****」がつくのはあまりに派手ですのでSAProxyの設定で、Rulesタグの所に
subject_tag sp*
すなわち「subject_tag<タブキー>sp*」などというテキスト文字列を張り付けておくとspam判定されたものは「sp*」がタイトルの筆頭につくようになります。
設定例:
なお、spam判定時タイトルに文字列を追記するのはSettigsタブで
としておく必要があります。こうしておいた後、たとえばOutlookExpressであれば
http://www-6.ibm.com/jp/pc/clubibm/ct/oe/back_021.shtml
http://www.takenet.or.jp/~kenji/enjoy_inet/mail_seiri.htm#02
などで解説しているようなフィルタリング(メッセージルール)で、タイトルの頭に「sp*」がつくものを特定のフォルダに振り分けられるようにしておくと(あるいは前述のように薄くなるようにカラーリングをおくと)spamをより分けることが可能です。
(なおメールソフトの挙動に関しては、当方はOutlookExpressを使っていないのでもしも間違っていたらフォローお願いします。汗)
SAproxyで「Maps」タブの中を
−−−
# Connections on localhost port 818 will be proxied to
# mail.yet-another.tld, also port 110
#818 = mail.yet-another.tld:110
5110 = 127.0.0.1:110 ←ポイント!
(5110 = localhost:110でも可?)
−−−
にし、
メールソフトでは
POP3のサーバーポート番号を5110などにする
(空いているポートを使用のこと.
http://www.murashima.matsudo.chiba.jp/mura/port5000-9999.htm)
更に
・POPサーバを「127.0.0.1」にする
・たとえばもともとのアカウント名が「user」、POPサーバ名が「pop.isp.ne.jp」
ならば、アカウント名の所を「user:pop.isp.ne.jp」
(元のアカウント名+コロン+元のPOPサーバ名)にするところ
「user:pop.isp.ne.jp」を
VB形式”「user/pop.isp.ne.jp」”にする。
そうすれば
メールソフト→SAProxy→POP3trap→ISP
ってなるはず。
さらに、ウイルスバスターではメール検索を許可すると、設定を勝手に書き換える場合が多くあります。その抑止に関しては
http://www.rimarts.com/ml/becky-ml/13600/13669.html
にあるそうです。
以上の方法は残念ながら私・高崎は未確認(...というよりいろいろやったが出来なかった)ですので、毎度のことですが、一層の自己責任でお願いします。もし出来た場合にはどのような方法で出来たかなど当サイト「掲示板」で情報提供していただけると助かります。
(以上の情報に関してはBNR32様、ふじ様、B2antispamユーザMLにお世話になりました)
以上のような「ウイルスバスターメールウイルス検索機能」との両立を図らなくても、ウイルスバスターとSAProxyの両者を導入している場合、以下の不具合が発生する場合があります。
すなわちウイルスバスターのバックグラウンドで起動している
POP3trap
が立ち上がっている場合、うまくSAproxyが動作しない状況が発生するようです(というかメールソフトからISPのメールボックスに取りに行けない)。
それに関してはPOP3trap.exeのプロセスを殺すか、OS起動時に「POP3trap」を起動しないようにしておくと大丈夫なようです。
参考:OS開始時、起動するプロセスの殺し方
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/180disabl_autorun/disabl_autorun.html
無論、メールウイルス検知機能を外してしまう判断というのは自己責任でやって頂くしかありません。なお、OutlookExpressを使用している場合には
などを参考にして下さい。
6■日本語spamに対する効果とBecky!Antispamプラグインのフィルタリング機能
SAproxyはその性質上、日本語spamにはあまり効果を発揮しません。「ほとんどしない」と言っても良いかもしれません。
で、その一方で、メールソフトBeckyに関しては
antispamプラグイン
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/becky-antispam.html
にて、被害者情報共有方式によるフィルタリング機能を導入されています。しかしながら、こちらは、現行システムでは英文spamに対してほとんど無力化しています。
いつの間にか(?)私も開発者チームの末席に入っているのですが少なくとも今以上のレベルにする方向でシステム作りがゆるゆる進められています(利用者の方、気長にお待ちを...汗)。
そのシステムの新版(提供時期未定)では
「英文spamにもある程度&日本語spamにはかなりほどほど」
spam判定が可能になりそうな感じでいます。
以上の点を踏まえると、個人的には
1.SAProxy
2.antispamプラグイン
3.個人個人による独自のフィルタリング
(宛先に自分のアドレスが入っていない、
宛先がUndisclosed.Recipientsである、
タイトルにユーザ名が入っている、などなど)
の3つのフィルタリングで、かなりのメールを「自動仕分け可能」に出来るようにしておけば、
・大事なメールがspamに埋もれてしまう
・spamを手動でspamフォルダに入れる(ドラッグ&ドロップ)時間が積もりつもって山になる
のを防ぐことができ、spamに対する世の中の根本的・包括的対処までの応急措置として(!)取りあえず良いのではないか、ということを考えています。
現在の所、私がかなり高い評価をしているSAproxyですが、この仕組み上、いつまで効果を発揮するかはかなり疑問に思っています。(残りは今後追記予定)