スパム問題提起意見書3 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律施行規則案 に対する提出意見 |
2002/06/17作成提出 2002/6/21 初版 |
総務省担当者様へ こんにちは、私は○○に住みます高崎真哉と申します。 このたび 「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律施行規則案に対する意見募集」 http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020521_2.html を拝見し、特定電子メールに関する意見を差し上げたく メールを出させて頂くことに致しました。 連絡先は以下の通りです。
(略) −−−−−−−−−−−−−−−−−−− なお私は迷惑メール(スパム)に関するサイトを作成し、 ささやかながらこの問題に関し、 一年以上の啓発活動をさせて頂いております。 『迷惑メール(spam)撲滅私的調査会』 http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam-j.html この問題に関しましては インターネットホットライン連絡協議会 http://www.iajapan.org/hotline/ に参加しております「スパム反対運動リング」のメンバーと 情報交換・啓発活動をしております。 以下では私の馴染んだ「スパム」という言葉を中心に使わせて頂きますが、 これは基本的には「一方的に送りつけられる広告メール」を意味するものと 考えております(UCE,UBEなどとも限りなく同じであります)。 そのつもりで読んで頂きますよう、また必要に応じて 行政様の言葉で置き換えて下さるよう御願いいたします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【内容概説】 一●スパム被害の二元性(受信者と通信事業者)について スパムで被害を受ける者には受信者と通信事業者の両者があり、 適正化法の中では混合が見られる。 法律の趣旨に沿い、両者からの苦情・情報を積極的にもちいて 全体として対処するようにして頂きたい。 二●適正化法のオプトアウト方式が持つ欠点と悪質送信者 今回のようなオプトアウト方式は欠点を持っているが いずれにせよ大事なのは悪質送信者への対処であり、 それがきちんと出来さえすれば構わない。 三●「未承諾広告※」(特定電子メールである旨) の表示 タイトルに2バイト文字を使うのは問題である。韓国の例を見て頂きたい。 四●『特定電子メールの送信に使用した電子メールアドレス』 送信に利用した電子メールアドレスというのは意味不明。 五●『 2)特定電子メールの受信を拒否する旨 』の付則について 拒否した場合の原則は 「(オプトインでない限り)今後一切同じ関係者から送られないこと」 とすべきである。 六●問題となるアドレス作成ソフトを売している業者の存在について 今回で違法とされる手法を使っているソフトが多いが、 それらに対しても何らかのアクションが取れるようにすべきである。 七●簡易に報告できるようにすべきことについて 八●氏名、住所、電話番号全てを連絡しなければならないことについて スパムの被害は毎日であり、被害者から関係機関への報告方法は 出来る限り簡易なものにすべきである。 九●インターネットの各種ユーザトラブルを扱う機関の設立提案 今回の法律で適正化業務を行う法人が指定されるとのことであるが 今回のスパム規制二法、プロバイダー責任法、あるいは 不正アクセス防止法の一部に関して情報収集、法律の運用を行うような 機関「ネチズンパブリックセンタ」とでも言うべきものを設け、 そこがスパムに関しても適正化事業を担当すべきである。 十●経済産業省との連携を密にして頂くこと 題記の通り。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【本文】 一●スパム被害の二元性(受信者と通信事業者)について スパムの問題性にはいろいろありますが、大きく分けて A・受信者の被る被害(望まないメールを受け取らされることにより様々 に派生する被害) B・通信事業者の被る被害(大量の苦情が来るようなメール送信、あるい は架空アドレス宛大量のメール送信による設備の過負荷被害) があると考えます。行政様の対処と致しましては当然両者とも解決して頂 かねばならず、どちらだけに偏りましても十分な問題解決には至りません。 特に重要なのは、両者を別々に解決しようとすべきではないことです。 スパムの被害というものが表面上に出にくい問題であるという点を考慮し、 両者の被害状況・情報が補完されあうべきものだと考えます。 すなわちAの被害しか報告されていない時でも、その際にはBの被害も 出ている可能性があり、逆に(そしてこれが特に問題だと思いますが)B の被害報告しかあがっていなくても、その場合には潜在的なAの被害が相 当あると考えるべきです。 例を出す必要はないと思いますが、この問題の発端となった「携帯電話」 のスパム問題では、キャリアや消費者センタへの苦情という形でAが報告 されたわけですが、キャリアが発表し、マスコミが報じたシミュレーショ ンの結果である「1日の流通量9.5億通のうち8億通が宛先不明のメー ル」というのはBの被害でしかありません。 今回の法律および法律施行規則をその観点から読ませて頂いた場合に、 その両者に関する把握が十分に出来るのかどうか、という疑問を持ちまし た。 法律を見ますと、以下のように各条文で密接に関係する被害は異なりま す。 第1,2条 定義と目的 →Aの被害を考えようとした法律であると窺えます。 第3条 表示義務 →(最終目的には)Aの被害防止でしょう。 第4条 拒否者に対する送信の禁止 →Aの被害防止でしょう。 第5条 架空電子メールアドレスによる送信の禁止 →Bの被害防止でしょう。 第6条 措置命令 →「前三条の規定を遵守していないと認める場合」とありますのでAとB を兼ねるでしょう。 第7条 総務大臣に対する申出 →「特定電子メールの受信をした者」とあるのでAの被害届け出でしょう。 第8条 送信者の苦情等の処理 →Aを対象としていることは間違いないでしょうが、Bも含むものなのか 不明確です。すなわちここでの「特定電子メール」の中に後述の架空アド レスのメールが含まれるのか、通信事業者からBに関して苦情が送られる こともあるのか、不明です。 第9条 電子メールの送受信上の支障の防止に資するそのサービスに関す る利用者への情報提供及び新技術の開発又は導入の努力義務 →ここでよく分からないのが「特定電子メールによる電子メールの送受信 上の支障の防止」という言葉です。 この「支障」というのが、仮に「Bによって発生するサービスの遅延等 の被害」(このような被害をCとおく)ならば、この条文で突如、Cに関 する話が出てきたことになります。 そうではなく、ここまでの条文から見て、上の「支障」はAの被害だと みなし、それを受けないようなサービスの情報提供、開発努力義務を事業 者に課したものとみます。 第10条 電気通信役務の提供の拒否 →「一時に多数の架空電子メールアドレスをその受信をする者の電子メー ルアドレスとして電子メールの送信がされた場合において」と条件が書い てありますのでBの被害防止と言えましょう。 ここでは前条文と同じ「支障」という言葉を使っているものの、「電子 メールの利用者に対する電気通信役務の提供に著しい支障」というのは明 らかにBの被害を表しているものだということです。 その結果、もしも架空アドレスが入っていない、大量の「存在するメー ルアドレス」宛に大量のスパム(特定電子メール)がまかれた場合、甚大 なAの被害が出るわけですが、この条件には当てはまらないので送信を停 止させることが出来ないことも考えられます。 第11条 電気通信事業者の団体に対する指導及び助言 →前の二つの異なる支障に対して、ここでは具体的な内容を述べず、「特 定電子メールによる電子メールの送受信上の支障」となっており、AかB か、あるいは両方か不明確です。 第12条 研究開発等の状況の公表 →前条と同じでAかBか(あるいはCか)不明確です。 第13,14,15条 指定法人→7条はAについてのものだと考えられますので、 ここでいう適正化は特にAの被害を無くす為の業務であることが窺えます。 第16条 報告及び立入検査→「特定電子メール若しくは架空電子メールア ドレスをその受信をする者の電子メールアドレスとする電子メールの送信 者」と書いてあるところを見ますとAとBの両方を対象とするのは明らか です。 第17,18,19条 罰則→A,B両者でしょう。 −− 以上から考えますと、この法律にはAとBの被害対策、対応が混在してい るように感じます。 特に危惧されるのは第10条から見るとAの被害が甚大でもBが少なけれ ば送信者の行為をストップできないことも考えられます。 法律はバラバラにされた条文で解釈するべきものでは本来ありません。 恣意的な解釈は問題ですが今回のように一つの法律としてまとめられてい るものならば、その制定趣旨に添って運営されるべきものでありましょう。 そう考えた場合に、先程言った10条の欠点は運用の中で補うべきものと考 えます。 よって、今回意見を募集している省令による法律施行規則などの制度整 備の中で、それが可能にすべきでありましょう。 二●適正化法のオプトアウト方式が持つ欠点と悪質送信者 御存じの通り、スパム規制法はオプトインにすべきだという意見は見送 られました。スパム問題に関して論じている者の中には「今回の法律は自 分の所に届くスパムの減少になんら寄与しないだろう」と発言する方もお ります。 なぜオプトアウト方式では駄目なのか?それは2つあると思います。 A.たとえ一回ずつであっても皆が送れば大量のメールになるのであるが、 今回の法律ではそれを禁止していない。 B.悪質なスパマーは一回目に見せかけることも含めて、スパムを送り続 けるためにあらゆる手段を行うものであり、オプトインを禁じる法が出来 てすら、それは完全に撲滅できないかもしれない。 以上の2点です。Aに関しては事実、未だに初心者的な、すなわちスパム をDMと同じ感覚で軽く考えて行う者が絶えません。 しかしながら、本質的な被害はBが極めて大きいからなのです。Bに関 しては実際にはオプトアウトを禁じていれば摘発できるだろう、そう考え るのがスパム被害を「自分自身で」受けていない方の感覚かもしれません 。 今回のパブリックコメントを見て下さる皆様方の中、また施行規則を決 める方々の中で毎日のように英文スパムを受け取っている人々は果たして いらっしゃるのでしょうか? おそらくそのような方ならばオプトアウト型にした場合に、スパマーと いう者がどんなに破廉恥な言い方をしながら、スパムを送り続けてくる輩 が多いことか、御存じのことと思います。 明らかにどこかで繋がっていると思われる、「○○をして頂けば配布対 象から削除します」というメールが、毎日、毎日、毎日、毎日、この一週 間、一ヶ月、一年、その繰り返しです。私はこの3,4ヶ月、実験的にオ プトアウト手続きを律儀に行っているのですが、一向に減る様子はありま せん。 破廉恥な中でも極めつけをお見せします。 > *********************************************************** > The following statement is provided to be > in compliance with commercial email laws. > > If you do not wish to receive further > mailings, please send an email to: > > the_hgh_clinic@btamail.net.cn > > with remove in the subject line, > then click send. > > This message is in full compliance with > U.S. Federal requirements for commercial > email under bill S.1618 Title lll, Section 301, > Paragraph (a)(2)(C) passed by the 105th U.S. > Congress and is not considered SPAM > since it includes a remove mechanism. > *********************************************************** > This message is not intended for residents in the > states of CA, NC, NV, RI, TN, VA & WA. > Screening of addresses has been done to the best > of our technical ability. > > *************************************************************************** > Call us now 1-888-248-4571 for your free HGH consultation. > *************************************************************************** この文面によれば、オプトアウト方式を取っているから、このメールは 合法だそうです。しかしながら私のところには中国のサービスbtamail.net.cn で取得したと思われる宛先をオプトアウト連絡先にしたメールが毎日に届 くのです。 米国は御存じのように、連邦政府レベルでのスパム法が出来ていません。 せいぜい日本よりは権限の強いとされる州法です。上にもスパム規制法が あるところには送っていない旨が記されていますけれども、日本人にも送っ てくるような業者が、人々の住所まで把握した綿密なメールアドレスリス トを使っているとは思えません。 日本も例外では決してありません。私のところにも無料ホームページサ イトで作っては潰され、作っては潰され、それらを繰り返しながら、結局 スパムを送り続けている(おそらく同一の)業者がたくさんあります。 今回のスパム規制法が実質的に抑制力のあるものになるかは行政の方の 運用次第だと思っております。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 以下は上記サイトで述べられている施行規則についてそれぞれ意見を申 し上げます。 【特定電子メールの送信にあたって、表示すべき事項を表示する方法 (法第3条関係) 】に関するもの 三●「未承諾広告※」(特定電子メールである旨) の表示 特定電子メールを明示するのに2バイト文字を採用することの問題は多 くの個所で言われております。すなわちネットが簡単に海外を越えるもの であり、全言語を網羅する統一したコードが無いという現状では日本語コー ドを使うべきではありません。 韓国でも独自のコードで広告であることを明記することが定められた結 果、これが日本語コードに文字化けすると『韻壱』という文字が題頭につ いたメールになるそうで、日本人で韓国のスパムの被害を受けている人々 は『韻壱』メールを多く受け取っているそうです。 それぞれの国にはそれぞれのやり方がありますので、上の形式を採用し た韓国に対して非難をするつもりではありません。しかし海外と切っても 切れない位置にある日本におきまして、日本語の文字にこだわるのはいか がでしょうか? 今後、スパムの問題は一国内だけの問題に止まらず、国際的な解決への 道が必要になってくると思われます。その際には嫌でも統一的な言語を使 わざるを得ません。また上の韓国の事例や、日本人の英文スパム被害の拡 大を見ても分かるように、日本語のスパムも多く海外の日本語に無関係な 方々へ流出していると考えられます。そのような被害者の為にも、インター ネットの基本言語である英文を採用し、「ADV:」、「UCE:」などの単語を 採用すべきでありましょう。 日本語に固執することはその島国主義を笑われるだけでしょう。改善を 強く要求いたします。 四●『特定電子メールの送信に使用した電子メールアドレス』 法律にも係わることですが、この「送信に使用した」というのが極めて 曖昧ではないでしょうか?御存じのようにSMTP形式では必ずしも受信側メー ルアカウントがあるとは限りません。 実際に送信で使われたサーバのドメイン名と明記している差出人のメー ルアドレスのドメイン名が不一致していることは、とりわけスパマーの中 に多いのですが、一般の真っ当なユーザの中にも存在しますし、私もそう いうメールを出すことがあります。 すなわち上の条文、規則はそのような送信サーバのドメイン名と、差出 人のドメイン名の不一致を認めないものなのでしょうか?そしてそうなら ばそのことを規則で明示すべきでしょうし、そうでないなら「特定電子メー ルの送信に使用した電子メールアドレス」という言い方は甚だ理解できな いものになります。 妥当なところとしましては「送信者および広告主が連絡先として受信可 能なメールアドレス」と明記すべきでありましょう。 なお、このメールアドレスが第四条の『通知を受けるための当該送信者 の電子メールアドレス』と一致するかはまた別問題として構わないと考え ます。 【3 オプトアウトの通知の方法(法第4条関係)】に関するもの 五●『 2)特定電子メールの受信を拒否する旨 』の付則について ここで述べられている2つの付則 「一定の事項に係る特定電子メールの送信のみをしないように求める場合」 「一定の期間しないように求める場合」 というのは、 原則的に拒否は「全ての事項に関する」「今後恒久的に」するものの中で、 特に受信者がその範囲を狹めたい場合に付け加えるものと考えてよいので しょうか? この付則を悪読みすると、単に「貴殿からの特定電子メールは不要です」 と返信した場合、送信者は「先日のメールは内容が○○でございましたが、 今度のは全く違う△△についての内容のものです」と送ってくる可能性も ありますし、一年後くらいに「そろそろ状況が変わったかと思いまして連 絡を差し上げました」などと来る可能性もあります。 スパマーは下記の頁で紹介しているようにデタラメばかりです(涙)。 http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/huangtang.html あるスパマーは「これ一度きりですので」といって、ずるずる2年間か けて7回、スパムを送って参りました。毎回返信して「断固として断って も!」です。これは事実なのです。 スパマー達は得てして受信者を馬鹿にしており、いくらでもデタラメを つける、口八丁手八丁な卑怯な輩であることを重々認識して頂きたいと思 います。 上の付則がそうな落とし穴にならないよう、 「拒否した場合、それは原則的に『全ての事項に関する』『今後恒久的に』 するものである」 と明記して頂きたく思います。 【4.宛先として送信をすることが禁止されている架空電子メールアドレ スの作成の方法(法第5条関係)】 六●問題となるアドレス作成ソフトを売している業者の存在について 問題の本質が、上のような手当たり次第のメールアドレスに送る送信者 にあるのは分かっております。そしてメールアドレスを作成するソフトに 関しては、それを取り締まった「だけ」では問題が解決されないことを理 解しているつもりです。 しかしながら現実問題として、上記のようなソフトを販売する業者が多 く蠢動し、スパム行為を幇助・助長しているのです。以下で紹介するサイ トは昨年夏に被害者からの圧力に絶えかねて、一時期は撤收を宣言しまし たが(下のリンク)、法律的に処罰されないと見るや、結局販売を続けて おります。 http://www.hitbitweb.com/ http://www.hitbitweb.com/dmm.htm こういう問題に関しては、「コピー機」が引き合いに出され、それはし ばしば著作権を破ることに使われてしまうけれども、全体的には至極合法 的なものと認識され、また情報化社会の中で必要不可欠な道具とされてお ります。 しかし上のようなソフトを同一的なものとしてみることが出来るでしょ うか? コピー機とは全く違い、上記のソフトが使われる目的は今回の法整備で 「犯罪」として取り締まる行為が專らです。コピー機が世の中の文化向上 などに多大な寄与をしているのとは比較になりません。 一方、銃刀法違反で日本では銃の所有が原則禁じられております。また、 魔薬取締法によってケシの栽培等も禁じられております。 銃などは米国で認められているのを見れば分かるように、身体的に弱い 人々、すなわち腕力で争えば負けるような人々にとっては身体的危機を救 うのに有用だと見ることも出来ます。もし日本でも銃が認められた場合、 しばしば腕力の弱い女性が対象とされる性犯罪や、神戸リンチ事件のよう な一対多数の犯罪を最悪の状況から救えたかもしれません。 けれども日本では銃を認めないという方法を選択しております。悪い武 器とは断定できない銃を規制している日本が、今後は明らかに違法行為に しか使われないはずのツールが大手を振って出回るというのが許されるこ とでしょうか? 少なくとも行政からのなんらかの措置が出来るようにして頂くよう、御 願いいたします。 【5 受信者が、総務大臣に対し、適当な措置をとるべきことを申し出る ための方法(法第7条関係) 】 七●簡易に報告できるようにすべきことについて 現在、経済産業省で実施している(問題性のある)スパム情報受付では メールによる送信を、パソコン、携帯電話からに関係なく認めております。 スパムの被害は周知の通り毎日のようにあり、これに関して被害を申し 出るのも日常的な作業になります。その場合に郵送書類による厳密な申請 方式では埒があきません。 メールで送付できるような簡易な形を強く御願いいたします。 八●氏名、住所、電話番号全てを連絡しなければならないことについて 前項にも関係することですが規則では 次の事項を記載した申出書を提出することとする。 1) 申出人の氏名又は名称及び住所 2) 受信した当該特定電子メールの内容等 3) 申出の理由 4) その他参考となる事項 とありますが、携帯スパムの場合には作成文字数に限界があります。スパ ムの文面でさえいっぱいになってしまうのに、そのスパムの報告で上記の ようなことを記入するのは不可能です。 これはもしかするとメールによる申請を前提としていないのでしょうか? それならば七番のように、断固としてメールによる申し出の受付を要望い たします。 解決策としては 「申し出人の氏名と、電話番号(メールアドレス)あるいは住所」 など、本人への確認をとれるものを最低限の記述とすれば良いと思います。 なお、もし総務大臣に申し出るという今回の内容が、現在、経済産業省 の指導の元、(財)日本産業協会で行っているものとレベルが違うならば、 それらをはっきりさせ、本当に上記施行で定めた総務大臣への煩雜になる 可能性のある申請がスパム抑制に有効な機能を果たすのか、早急に検討し て頂きたいと思います。 【6 特定電子メール適正化業務を行う指定法人の指定の方法等 (法第13条関係) 】について 九●インターネットの各種ユーザトラブルを扱う機関の設立提案 適正化業務を行う指定法人がどのような形になるのか、現在の施行規 則では分かりませんので意見が出しにくいです。新たな特殊法人の設立の 可能性があるのでしょうか? 私は特殊法人が必要ならば新しく設立することは構わないと考えており ます。特にこのスパム問題にかかわって感じたことは、インターネット上 の諸問題が如何に行政や警察の手に余る仕事になっているかということで す。 すなわち世代観のギャップ、およびインターネットの急速な拡大は行政 のインターネットに関するスキル不足を引き起こしており、法律制定自体 も遅れがちですが、実際に運用が可能になるまでには相当の期間を要する ことが考えられます。またその為の専門の窓口なども明確でなく、行政側 でも、ユーザ側でも、通信業者の間でも混乱が見られます。 それらを補うべく、緩やかな連絡組織として インターネットホットライン連絡協議会 http://www.iajapan.org/hotline/ などが出来たのですが、これは情報連絡組織であり、実際に法律を運用し て云々という組織ではないようです。 従来、刑事犯罪は警察へ、消費者トラブルは消費者センターへ、建康相 談は保健所等へ、などと大体において相談窓口は決まっておりました。と ころがインターネットに関しては、統一的な窓口はなく、問題によって様 々な担当へとたらい回しにされることが極めて多く、このスパム問題など は電気通信事業者の自主努力に任せられると言う、ユーザーとしてはどう しようもないものでした。 先日、プロバイダー責任法が施行され、ネットの懸案の一つであった名 誉毀損や侮辱罪に係わるトラブルの解決を少しでも円滑に進めるための法 律が制定されました。 私の考えでは、そのプロバイダー責任法と今回のメール送信適正化法の 二法によって、総理府様の前身の一つであった旧・郵政省の時の研究会 「情報通信の不適正利用と苦情対応の在り方に関する研究会」報告書(概要) http://www.yusei.go.jp/pressrelease/japanese/tsusin/990201j501.html 情報通信の不適正利用と苦情対応の在り方に関する研究会報告書 http://www.yusei.go.jp/pressrelease/japanese/tsusin/990201j501_01.html に関する懸案問題を、一応、法制化できたものと感じております。関係者 の方々におかれましては御苦労なことだったと思います。 けれどもその解決に プロバイダー責任法 電子メール送信適正化法 特定商取引法の改正 を要したことは、この問題がいかに幅広く、また今後のインターネット時 代に深刻になるかを表したものだと考えます。 私は上の三法と、さらには不正アクセス防止法の中で軽微なもの、すな わち従来、「犯罪」とは断定しにくく、トラブルというべきものであった が、それが深刻化した結果、法律で「犯罪」と扱わざるを得なくなったよ うな、インターネットの「よりユーザ側に近い諸問題・トラブル・犯罪」 を研究、調査、またそれらの法律を運用するための組織をきちんと設ける べきだと考えております。 すなわち、ネットに参加する者にとっての「消費者センタ」的な組織で ある、 「ネチズントラブルセンタ」「ネチズンパブリックセンタ」 というべきものを作るべきだと考えます。 そのような組織がこの指定法人としても積極的に活躍し、問題解決へ旗 を振って頂けることを強く期待しております。 なお上の法人に関してはISP、あるいは他のネット業者、行政(警察を 含む)らと綿密な連携・情報交換をしつつ、国民のネット環境をいろいろ な意味で守るための組織にすべきであります。 ISPの意向が強く働く機関では、おそらくスパムへの対処に積極さに欠 けますし、表現の自由・言論の自由に係わる通信の秘密を「公共の福祉」 に反しない部分で厳守する点では、行政さらには警察権力からの積極的な 介入を避けるような組織体制であるべきでしょう。 十●経済産業省との連携を密にして頂くこと スパム規制法は二法の形でまとめられました。私はこの点に関しては、 スパムでは送信者と広告主が微妙な関係になりますので、両者に対して処 罰を明確にしたという点で評価させて頂いております。 現在のパブリックコメントの募集や、その内容から見ましても、両省様 が綿密な連携を取っていることは容易に想像できますので、この節の御願 いは杞憂だとは思いますが、あらためて両省様におかれましてはユーザに 混乱をもたらさないような、統一的な窓口で対応して頂けるよう御願いい たします。 なお今回のパブリックコメントに関しましてはスパムに関する基本的な 管轄は総務省様であるという思いから、総務省様にのみ出させて頂く予定 ですが、パブリックコメントも含め、両省様におきましては情報交換を密 にし、スパム問題解決へ断固とした対処を取って頂けるよう期待しており ます。 以上です。よろしく御願いします。