スパム問題提起意見書2 民主党 スパム防止法案 意見聴衆への意見書 |
オプトアウト容認に大反対!
2001/11/15作成提出 2001/11/30 初版 (近日更新部青色 |
赤字化はホームページ掲載にあたり行ったもの。
民主党様へ
初めまして、私は高崎真哉というものです。
迷惑メールに関する法案を作成中とのお話をうかがいました。http://www.dpj.or.jp/seisaku/joho/BOX_JH0012.html
私は以下のような迷惑メール(スパム)に
関するホームページを作っております。『迷惑メール(spam)撲滅私的調査会』
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam-j.htmlそこのページでは迷惑メールの問題点やそれに対する主張などを
書かせて頂いております。重複を避けるためと、
基本的なことは御理解頂いているという前提で詳しいことは略させて頂き、
このメールでは上のページの一部を紹介しつつ、
不十分な部分を中心に書かせていただきます。ちなみに私の話は、限定された携帯スパムの問題ではなく
世界レベルで問題になっているパソコンスパム
(インターネット全体)であることを御了解下さい。さて上のページの中で、迷惑メール対策に関わる人々に
読んで頂くために作りましたのが『小論:spam(スパム)の問題性と今後 』
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/spamxiaolun.htmlのレポートページです。冗長ですけれども、
迷惑メール関して各種問題性の大きさと
今後のあるべき体制づくりに関しても若干述べておりますので
是非そこを御一読頂くよう、お願いいたします。以下では民主党様のホームページにありました
−−−−−−
【特に意見を聞きたいこと】1.迷惑メールの被害の実態を教えてください。
2.迷惑メールを規制すべきですか? 規制すべきではありませんか?
3.諸外国では、受け手がいらないと言ったらもう送ってはいけないとする
「オプトアウト方式」をとるものと、受け手が欲しいと
言わない限り送ってはいけないとする「オプトイン方式」を
とるものがあります。どちらの方式が望ましいと思いますか?
−−−−−−に関して紹介、書かせていただきます。
●1.迷惑メールの被害の実態
1.1 私、高崎への場合
私への場合、2000年9月までパソコンスパムは月に3通程度でした。
それが2000年10月以降10倍になり、
ほとんど毎日、迷惑メールが一通以上届くようになりました。
最大届く場合には一ヶ月45通ほど、すなわち二日で3通の割合です。被害が大きくなり、一ヶ月受け取り続けて初めて
これは大変な問題なのだということを感じまして、
ネット上のスパム反対運動に参加し始めました。
スパムに関して問題意識を持つ人々がネット上に集まっているのが、
ご存じかもしれませんがスパム反対運動ML
http://groups.yahoo.co.jp/group/antispam-j/スパム反対運動リング
http://www.geocities.jp/antispam_j/で、ここではスパムの基本的なことから、法制化の際の問題点などまで
様々にスパム問題に関して話し合われてきました。
そこで得たものを参考にしながらスパム問題に関して啓発しているのが
最初に紹介した私のページでございます。話は戻ります。私への迷惑メールが突然増えた時、
そのスパムは日本語と英文がほぼ半々でした。
突如増えた原因としては
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/fenxi-spam.html#add-list
で書きましたように、流通しているスパマー用アドレスリストに
載ったためだと思われます。その後、今年の2月以降、上のスパム反対運動の中で教わった方法で、
コツコツとスパム送信サーバの管理人への処置依頼、
そしてこれはあまり勧められることではないのですが
啓発活動だと考えて、送信者への警告の返信を送って参りました
(信頼できるメールアドレスの場合だけです)。その結果、日本語のスパムはかなり減りまして
月に10通程度になりました。
ところがその一方で英語のスパムは20通以上にもなり、
一番多い時期に比べて減ったものの
日英両者あわせて月に30通以上届いている現状です。この数は携帯スパムや、パソコンスパムでも
もっとひどい方に比べるとそう大きな数字ではございません。
私が危機感を感じているのは、現状にというよりも
インターネットの将来を憂えて、という部分が大きくあります。1.2 反対運動の中で感じられる被害の実態
さて私は上のページを作ってスパム問題の啓発に努めていることから
いろいろな人の被害の実態も見聞きしますので、
その点について述べたいと思います。まず言えることは、スパムは実態が極めて
見えにくいと言うことです。最近の携帯スパムに関しては
9.5億通のうち8億通が宛先不明だという発表がされてましたが、
残りの届いたものの中にも、結局かなりの「スパム」があることになります。スパムの問題の深刻さが見えない原因の一つが、
スパム対応においてよく言われる「無視が基本、ゴミ箱へ」というものです。
残念ながら多くのスパム被害者はこのアドバイスに、
さほど疑問を抱かないまま、実践しております。
その結果、スパムの被害は闇に葬られているのです。スパム反対のページを作り始めて、多くの方々のスパム嫌悪の声、
私のページへの共感の声に接するようになりましたが、
これは氷山の一角で、その背後には多大な被害者の
泣き寝入り、不満感があると推測されます。
私は『スパムの後ろ向き解決に反対する!
安易なアドレス変更の勧めやアドレスの公開自粛風潮に反対!』
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/xiaojixiaolun.htmlという文の中で、古くからニフティでオンラインソフトを
提供してきたU氏の例を紹介しております。(略)
おそらくスパムの多くの被害者は、スパムに嫌悪感、迷惑さを
感じていても、諦めてしまっているような感じが見られます。
それが被害の実態をさらに見えなくしているのです。携帯のスパムが社会問題化したのは、ご存じの通り
そのシステムの不完全さです。パソコンメールでは
送信者を追求する為にメールヘッダがついているのに
携帯スパムではそれを削ってしまいました。
これは送信者が全く分からないのと同じことであり
この仕様では迷惑メールの被害が拡大するのは当然です。私の聞く限り、パソコンスパムの被害は
日本では多い人で月に100通〜200通くらいのようです。
一方で携帯スパムでは少ない被害者でその程度、
多くなるとそれと一桁異なるというのですから
携帯スパム被害は異常としか言えません。
その異常な状況だからこそ、
ようやく苦情が殺到して社会問題化したわけです。すなわちここまで異常な事態にならない限り、
迷惑メール被害は被害者の泣き寝入りで
表面に出てこないと考えた方が良いでしょう。
だからこそ欧州委員会が世界でのスパムの被害を
一兆円などと出して警告を発してきたのです。実は先日、あるスパムグループが突然その量を増大させました。
『果実-jp系アダルトスパム対策調査室
(別称:ソニーテシオ氏スパム対策調査室)』
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/fruits-jp.html月に数通だったらば見逃していた不快なアダルトサイト宣伝
スパムでしたが、その突然の増加に多くの方々、
特に女性だと思われる方々を中心とする被害の声が各地の掲示板で
頻発しました。以下はそれを集めております『果実jp系アダルトスパム被害者の声・声・声 』
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/fruits2-jp.htmlこれを見て頂くと分かるように、スパムは大変不快なのですが
結局多くの場合は泣き寝入りをさせられていた、
そのような実態が浮かび上がってきます。
今後、インターネットメール人口がますます増え、
さらには仕事上固定したメールアドレスが必須になるにつれ、
その被害は必ず一層深刻化することを確信しております。さらにはここでは詳しく書きませんが、
迷惑メールの多くがアドレス詐称をしてくる為、
ひどい場合には故意に第三者のメールアドレスを名乗ったり、
たまたま適当に作ったメールアドレスが実在していた、
ということが現に発生し、
「苦情メールが殺到した」「エラーメールが届いた」
というような被害を受けた人の報告を受け取っています。これは通常のスパム被害者よりもはるかに深刻な事件ですが
この場合も為すすべがほとんどないまま、冤罪アドレスの被害者は
泣き寝入りになっているのが現状です。2●迷惑メールを規制すべきですか? 規制すべきではありませんか?
前述のページで書いておりますが、このようなスパムに対しては
法整備は是非必要だと考えます。特に日本の場合、電気事業法「通信の秘密」条項の存在にもとずき
電気通信事業者は正確に届けることが唯一の責任だと考え、
スパムのように最終的には内容によって判定されるものを
排除することに対して極めて消極的です。ご存知のように、インターネットトラブルを速やかに
解決するための法整備への取り組みが徐々に行われていますが、
スパム問題もその中の一つとして、
電気事業法「通信の秘密」にとらわれず、
インターネット時代の新しい観点から通信事業の法整備を
整えることが必須だと思われます。私がスパム処置依頼で多くのプロバイダーに働きかけた中で感じるのは、
ISPが「通信の秘密」条項を盾にとって
スパム問題を積極的に解決しようとするのを避けようとしている、
そう見えてしまうということです。本来「通信の秘密」は表現の自由を守る為に、
通信事業者の恣意的な行為を抑えるための法律だったのに
インターネットのように多くの人が自由な発信、
多様な受信が出来るツールの登場の中で、
受信者が迷惑通信行為の被害にあっても、通信事業者に無視されて
泣き寝入りをしなければならない状況になってしまったわけです。
全く本末転倒と言わねばなりません。ご存知のことと思いますが旧総務庁で既に
発表日 :1999年 2月 1日(月)
タイトル:情報通信の不適正利用と苦情対応の在り方に関する研究会報告書
http://www.yusei.go.jp/policyreports/japanese/papers/press/Japanese/Tsusin/0201J101.htmlでこれらは問題提起されていますが、
ほとんど何の対処もされてきませんでした。無論、杜撰な法整備の為に「言論の自由」を抑制するような形は
許されるべきではありません。以上のことから私としましては法整備に必要な観点は二つ
・「通信の秘密」条項に縛られて
プロバイダーが毅然とした態度を取れないということをなくす。
またそれをスパム問題放置の言い訳に出来ないようにする。・インターネット上の各種迷惑行為を一緒にするのではなく、
迷惑メール(商業広告メール)行為、スパム行為を
他のネット上の問題から切り離し、あくまでそれに限定することで
言論の自由の問題に抵触することが少ないようにする。ということがスパム問題を早急に抑えるため、
法律面の整備で考慮すべきことだと考えます。3●オプトインとオプトアウト
これに関してはおそらく他の方が述べて下さると
思うので詳述しませんが、オプトアウトでは
迷惑メールは防止できないと強く考えます。ここで具体例として私に届いたスパムのデータを引用しましょう。
今まで届いた私へのパソコンスパムの604通のうち
送信者アドレスが違うものは548アドレスでした。
言い方を変えれば604通のうち512通は
一度しかその差出人アドレスを使っておりませんでした。すなわち迷惑メールではたとえ送信者が同じであろうと
メールアドレスをとっかえひっかえして、
さも別なグループであるかのように送信してくるのが特徴的なのです。
そのような条件の中「一度目で断られたら
二度と送らない」という制限はザル法になります。悪質な(というよりもスパム送信者は得てして悪質な業者のみに
なりますが...)スパム送信業者は、
メールアドレスも、送信サーバも、そしてひどい場合には
サイトですらあちこちで作ったものを宣伝してきます。
そのため
「あなたのところは前回断ったのに送ってきました」
と言明することは極めて困難なのです。外国の事例においても、オプトアウト方式の米国が
結局うまく抑制できず、私も未だに米国かららしき
英文スパムを多く受け取っていまうので、それを痛感します。法律整備の観点では、許容する広告メールは
オプトイン方式にしなければならないと考えます。スパム問題に深く理解が無ければこの法律整備は
一見厳しいように感じられるでしょう。
しかしそれは電子メールというツールを、郵便や電話などと
同じ感覚で捉えようとする為にそう感じられるのです。
電子メールは郵便とも電話とも違う、特殊な性質を持った
新しいツールであり、その中ではスパムが深刻になるため
断固とした措置を取らねばならないことを御理解下さい。なお電子メールの特殊性に関しては
『ルール破りの商品広告spam(郵便DM・チラシ、電話勧誘・訪問販売との相違)』
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/aboutspam.html#guanggao-spamで書かせて頂いています。
オプトアウトにせよ、オプトインにせよ、
今後考えるべき重要な問題は
スパム問題の実務を実際にどこが取り扱うか、
すなわち制限・禁止した際にどのような制度で取り締まるか、
ということだと思います。
もしも罰則規定や取り締まりのない制度でしたら法律は空文になります。そのような制度作りを考えたとき、
行政・立法側としてはネット業界に
自主的、横断的にそれに取り組む機構を作るよう促すのか、
あるいは行政の一機関がスパマー(場合によっては他の
ネット迷惑行為者、ネット犯罪者)を直接監視し、
その苦情を受け付け、プロバイダーや警察への橋渡しをするのか、
どちらの形を目指すのかなど、
ある程度の青写真を作っておくことが重要だと思います。以上、長くなりましたが取りあえずということで
書かせて頂きました。急いで書きましたので乱文お許し下さい。最後に余談になりますが、迷惑メール・スパムというのは
どちらかといえばユーザ側の視点を強調してこそ
迷惑性がはっきりします。
しかしながら現在、ユーザー・消費者への迷惑行為として
取り締まることが難しいためにISPなどに対する迷惑行為として
対処しようとする観点を導入しています。しかしスパマーがISPへ迷惑をかけないとしても、
ユーザーにとっては迷惑なものは迷惑なのです。
受け取りたくもない人が、一方的に受け取らざるを得ないという
スパムはどう考えてもおかしいのです。
その主張は純粋にユーザーの立場にたってこそ初めて強調できます。
民主党様は現在の与党と比較して消費者側の支持が大きい政党だと
理解しております。オプトアウトを認める方向は、ユーザーが迷惑だろうがなかろうが、
なんとかして広告の機会を得ようとする業者側の立場であります。
以下は聞いた話ですので正確か分かりませんが、米国で
散々議論を重ねているのに連邦法でスパム禁止法が結局成立していないのは、
電子メールを利用しようとする金融業社のオプトアウト容認のロビー活動が
激しいという裏事情があると聞きました。そのような性質のスパム問題において、スパムを厳しく取り締まる
法律は民主党様こそが出来ると感じております。
今後の各方面の御活躍を祈るとともに、期待いたしております。なお、念のため私の住所、電話番号、氏名等を記しておきます。
(略)
なおもし私の文などをそのまま引用、転載する場合には
私のスパム関係ホームページのトップのURL
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam-j.html
か私の名前「高崎真哉」を「一部参考」などと一緒に併記して
頂けると気持ち的に有り難く思います。その際に事前の了解などは必要ございませんので
スパム問題を民主党内部やあるいは他の場所で
議論する際に参考資料にして頂けると幸いです。ではでは失礼いたします。
(以下略)