スパム問題提起意見書1 ハイテク犯罪対策室へのメール |
2001/9/4 初版 (近日更新部青色 |
1■スパムメールの問題の大きさについて
ハイテク犯罪対策室の方々におかれましては
おそらくネット問題に関わる機会が多いですので、
スパムメール(一方的迷惑広告電子メール)の問題に
関しましては十分に御理解のあろうかと思いますが、
僭越ながら改めてスパムの問題に関して若干述べさせて頂きます。現在いわれるようになったスパムメールとは私の認識では
「受信者の歓迎する可能性やその嗜好を、
事前に全く考慮せずに送信する広告・宣伝メール」
というものであり、その実際の方式としましては
不当に大量メルアドリストを獲得し、受け手の了解・嗜好・年齡等を
全く検討せず、不特定多数に大量配布する形をとっております。その具体的な広告内容は現在多くが
・アダルトサイト広告
・マルチ商法関係(ネズミ講含む)勧誘
・他の商売、商品広告勧誘となっております。この中でアダルトサイト、マルチ商法は
どちらも他の犯罪を極めて誘発しやすいものです。まずアダルトサイトの問題はネットにおける子供達への影響として
大きく危惧されておりますが、露骨なアダルトサイト紹介のメールが
スパムメールとして子供達へも無差別に届いている現象も発生し
それを憂慮する親達の嘆きの声が上がり始めています。少し余談になりますが、ネット先進国の米国ではスパムが
大きな問題になっており、州レベルではいくつかの法律が出来ており、
連邦政府レベルでも何回も討議されています。
ただし広告としての「表現の自由」の問題があることから
どんなものを規制するかの意見の一致がなかなか困難で
討議されては上下院の可決・法律制定までいかないのが
連邦政府レベルの現状です。
(英文ページ)
http://www.spamlaws.com/us.htmlしかしそのような中でもアダルト関係のスパムだけでも規制しよう、
という動きが最近も進んでいます。
「性表現を含むスパムメールを違法に」
http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010713-8.html?mnこれはアダルトサイト広告の無差別な配布を問題視すれば
当然のことであります。次にマルチ商法の問題ですが、近年、ネットにおけるネズミ講の
逮捕者が増大していることは周知のことであります。
従来ネズミ講などは知り合い以外に声をかけるのは困難でしたが
コミュニケーションを増大させるインターネットは、
このような部分をも広げてしまいました。不特定多数に声をかけ、
マルチ商法に理解がない人々をネズミ講の罠に誘う要因として
スパムメールは大きな問題となっております。以上のようなアダルトサイト、マルチ商法のみならず、
最近では詐欺の温床となるスパムメールも発生しており、
各都道府県のハイテク関係部署を煩わせる要因となっております。http://support.japan-net.ne.jp/news-20010125.html
http://www.freeserve.ne.jp/topics/topics5.html
http://www.yyy.or.jp/info.html(この3つのスパム送信者は同一人物で
完全に詐欺行為者と化しています。)以上のようにスパムメールは各種の犯罪の温床となりやすい面を
強く持っております。
総務省の発表http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0424/netuser.htm
に基づけば、日本でインターネットメールの使用者は
まだ3割程度に過ぎず、民間の調査ではもっと低い値になっています。
その結果、スパムメールに対する問題意識は
官民ともにまだまだ高いとは言えない現状です。米国ではさきほど述べたようにスパムに対する問題が
現在常に議会で討議されている状態であり、
一方でヨーロッパでもここ数年来、問題が大きくクローズアップされております。欧州連合は断固たる禁止への姿勢へ乗りだしている他、
http://www.mainichi.co.jp/digital/netfile/archive/200005/16-2.html
さらには欧州委員会など全世界のスパムに関して被害総額を
一兆円と算出したりしております。http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0205/eu.htm
このような世界の状況を見ますと、今後ネット人口のまだ未飽和な日本でも
スパムメールの問題性はますます大きくなってゆくことが予想され、
各種ネット犯罪防止の為にも、極めて重大な懸案事項だと考えます。(以下略)